ハズレ馬券も経費として認められ、大きな利益は確定申告しないと責任を追求されることが世間に広まりました。

北海道の公務員男性の場合

 

2017年12月に判決が確定した競馬裁判では北海道に住む公務員の男性が約1億9,400万円を一時所得として追徴課税を受けたものを取り消しするように国に求めた裁判を起こし、ハズレ馬券は経費として計上を認める内容で決着しました。

 

2015年に判決のあった裁判でも同様のハズレ馬券の経費計上をめぐる裁判が行われましたが、その際はコンピューターによる自動売買によって利益を上げていたのに対して、北海道の公務員男性は独自予想で大きな利益を上げていたことで競馬関係者とファンに大きな衝撃を与えました。

 

競馬で得た利益は約5億7,000万円

 

北海道の公務員男性は2005年からの6年間で約72億7千万円の馬券を購入して5億7千万円の利益を出していたとされます。
競馬ソフトなどコンピューターは使わず、独自に騎手や展開、馬を分析・予想して得た予想ノウハウで年間平均1億円以上の利益を出していたことになります。

 

レース中の競馬馬

 

普通の地方公務員の一般男性が5年で72億円の馬券を買っていたことが衝撃的で、複利運用できるとはいえ一般的な個人の競馬ファンから見れば桁違いの金額で、最初から投資していた金額も大きかったとされています。

 

競馬関係者からは、軍資金で見ても常識から外れていて、本当に1人で行っていたのか疑問に残るという声も多く聞こえます。
ただし、回収率で見ればおよそ107%程度なので現実的な数字ではあります。

 

 

裁判で変わった所得税基本通達

 

2015年に判決が出た競馬裁判では、雑所得としてハズレ馬券を経費として認める条件を「競馬ソフトで網羅的・継続的に大量購入する」とされていました。

 

このルールがあったことから北海道の公務員の男性は一時所得で計算された追徴課税を受けて裁判になるのですが、当然主張はコンピューター予想は認めて自力予想は認めないのはおかしいというものでした。

 

高等裁判所の判決では、「ソフトに負けず劣らずの営利目的の継続的行為」とする判決が出て、最高裁が高等裁判所の判決を支持したことで決着しました。
所得税基本通達は裁判の結果を受けて、「恒常的に所得を得ること」を条件に雑所得を認める内容に改訂されました。

 

今後は競馬裁判が減っていくと予想

 

北海道の公務員男性が競馬で利益を出していたのあ2005年~2011年のことで、前例になったコンピューター予想の競馬裁判がニュースになっていない時期でした。
この当時は税金のかかるルールはあるけど、申告している人は誰もいないのが競馬業界の常識でした。
判決が確定したのが2017年なので寝屋川市職員など、判決前の利益に対する裁判は今後も数件行われる可能性もありますが、今後は競馬裁判も減っていくでしょう。

 

追徴課税と刑事責任を追求されたのは、利益が出た時点で確定申告していなかったことが原因です。

 

当時は一時所得しか認められなかったので、確定申告する行為は自ら財産を放棄して破産するのに近い自殺行為でした。
条件が付いているとはいえ、ハズレ馬券も経費として認められる判例が出たことと、大きな利益は確定申告しないと国税局から責任を追求されることが世間に広まったので、大きな競馬裁判はこの先は減っていくでしょう。